人は古来より、線によって字を書き、図を描いてきた。他方、コンピュータは点によって情報を提示する。この差異に着目した私は、2016年よりコンピュータで線状の物体を操作し、文字や図画を形成する実践を重ね、本作では「針」に注目した。漢字圏において、針は布を刺し、時を指す道具である。また針は、横から見れば線、先端から見れば点という二面性を持つ。本作は針の二面性を制御し、黒いニットの表面から28本の縫い針が現れては消え、点と線、アナログとデジタルのあいだを往還しながら、時間の経過を可視化する。
入賞の知らせを受けた瞬間、文字通り言葉が出ませんでした。審査員と事務局の皆様、日頃より活動を支えてくださる方々、そして文字で遊ぶ楽しさを教えてくれる妻に、深く感謝しています。