この書体は、鳥海修氏と松本タイポグラフィ研究会の主催する「松本文字塾第二期」において制作したものです。現在日本語レイアウトの主流の一つである明朝体のかなのデザインは、明治時代初期に上海から輸入された金属活字の漢字書体の影響を受けています。言語表記は、時代ごとの技術や外国語の影響を受けながら変化していくものであり、江戸時代まで主流であった連綿・くずし字・変体仮名などの表記を現在では読むことが困難になっています。この制作においては、江戸時代の整版印刷に用いられたような連綿での表記を改めて分析し、そのアルゴリズムをフォントの仕様に落とし込むことに取り組みました。まだ実際のデザインにどのように落とし込めるか未知数な部分もありますが、実験的な取り組みを評価していただけたことに感謝いたします。