TDC Sean Yendrys
NUMBERS DESIGN BY
AWARD
2025
TDC賞
Sean Yendrys

Let’s Not Get Used to This Place: Meg Stuart/Damaged Goods

Sean Yendrys|Let’s Not Get Used to This Place: Meg Stuart/Damaged Goods
Sean Yendrys|Let’s Not Get Used to This Place: Meg Stuart/Damaged Goods
Sean Yendrys|Let’s Not Get Used to This Place: Meg Stuart/Damaged Goods
Sean Yendrys|Let’s Not Get Used to This Place: Meg Stuart/Damaged Goods

『Let’s Not Get Used to This Place』は、振付家メグ・スチュアートと彼女の協力者ネットワークに関する出版物である。エッセイ、考察、インタビュー、詩、パフォーマンステキスト、楽譜、エクササイズなど、彼女と仕事をともにした人々による様々なテキストがまとめられており、過去15年間に蓄積された膨大な量の画像資料も含まれている。これらの画像は主に、様々な会場や環境で行われたパフォーマンスの記録であり、しばしば異なる写真家によって撮影されている。この本をデザインする上では、これらの素材を使ってメグの作品をどのように表現するのがベストなのかが主な課題のひとつとなった。

デザインの出発点は、ダンスやパフォーマンスをベースにした作品を、本というフォーマットに変換して表現することの難しさにある。アーティストと編集者とともに、私たちは従来のように画像を複製するのをではなく、オフセット印刷の物質的条件を利用して、書籍に特化した表現を提案することにした。

メグの作品の大半がブラックボックスの劇場で上演されていることにちなみ、この本では最初の256ページに黒い紙を使い、フルカラー、裁ち落としの印刷にしている。これを技術的に可能にするために、印刷会社は私たちと協力して、CMYKで印刷する代わりに、K(黒)に黒い紙を使い、CMYを印刷する画像調整(製版)を行った。メタリックインキは不透明度が高く、通常のオフセットインキのように紙に吸収されないため、CMYを印刷するための下地として、最初にシルバーのインキを印刷した。

テキストレイアウトはシンプルで、主にひとつの書体をひとつのサイズとウェイトで使用している。掲載する画像の量が多いため、テキストと画像のレイアウトは並行して進められ、本の大部分でテキストが画像に重なっているが、演技者の掲載スペースが必要な時には邪魔にならないよう移動されている。

Client: Damaged Goods

Graphic Design: Björn Giesecke
Editors: Julie de Meester, Astrid Kaminski, Jeroen Versteele
Printing and Lithography: DZA Druckerei zu Altenburg

Sean Yendrys

Sean Yendrys

カナダ出身のインディペンデント・グラフィックデザイナー、教師で、現在はドイツのベルリンとエストニアのタリンを拠点に活動している。アーティスト、キュレーター、出版社、組織と密接に協力し、書籍、ウェブサイト、ビジュアル・アイデンティティ、展覧会の制作に携わる。最近のデザイン・プロジェクトには、振付家メグ・スチュアートの作品集(ビョルン・ギーゼッケと共作)、2022年ヴェネチア・ビエンナーレ・ルーマニア館のアイデンティティ、2019年・2022年トロント・ビエンナーレ・オブ・アートのカタログ(サンティアゴ・ダ・シルバと共作)、書籍シリーズ、カナダ建築センターの展覧会などがある。2020年のプログラム開講以来、Estonian Academy of Artsのグラフィックデザイン修士課程カリキュラムの責任者を務める。学生とともに、ベルリン(2024年)とリスボン(2025年、Provisional School for Nothingと共催)で開催された自由でオープンな学校Stand-in School for Graphic Designを主催している。また、デザイナーを招き、作品の制作過程で生み出されたリサーチを共有する講義の書籍化シリーズ「Slide Show」(アレクサンドラ・マルジェティックとの共著)を企画・編集している。