「The Archive of Dark」は、アーティストKirstine Roepstorffとのコラボレーションによる本のプロジェクト。歴史上のイメージを蒐集した濃密なコレクションを有機的で感情に訴えかける物語として織りなし、知覚的、知的、精神的、科学的、芸術的な考察を含む様々な寄稿者からの手紙を掲載している。本書は、染色したリネンによる上製本で、本の中の図版を組み合わせた4種類の異なる表紙がある。
この本は教訓的なものではない。むしろ既存の作品群に重層的な意味を追加しようとする試みである。出版社InOtherWordsと協働し、そのプロセスから導かれる全体的なアプローチにより、実践を重ねて生まれた対話を通じてコンセプトが進化。テキストとビジュアルが両方のレベルを超えて、本という形で一つの作品を形成した。
ブックデザイン賞
OK-RM (Rory McGrath and Oliver Knight)
The Archive of Dark


OK-RM (Rory McGrath and Oliver Knight) [イギリス]
OK-RMは、2008年にOliver KnightとRory McGrathによって設立された、デザインの可能性を広げることを目的としたスタジオ。OK-RMにとってデザインとは、最も広い意味でコミュニケーションの手段であり、分野やメディアを横断し他者に働きかけることであり、魅力的でわかりやすい美的言語によって実現されるものである。参加するプロジェクトの形式的特性と文脈に細心の注意を払い、書籍、アイデンティティ、展覧会、インスタレーションなど、スタジオが追求するプロジェクトはすべてコンセプトの徹底的な追求の過程から生まれている。ゆえに、プロジェクトは、提案、信念を問うための手段、手続き、実行的・時間的・物質的な事実であり、この世界に存在し、ともに働くことの意味を(再)検討するものである。実際、共同作業は彼らのスタジオ活動の中核をなす。建築、文学、音楽、学術、パフォーマンス、ファッション、デザインなどの分野の職人、実務家、文化の主要人物たちが、OK-RMの共同作業のネットワークに参加している。OK-RMは、学際的な対話によって生じる矛盾や一致を受け入れ、その姿勢を形にする基軸となっている。このようなプロセスをコレオグラフィーに例えるなら、「動くパーツを組み合わせて全体を作り上げること」と言える。OK-RMの好奇心とニュアンスを維持しながら、印刷物の中だけでコラボレーションをさらに追求するため、スタジオの実験的な出版社であるInOtherWordsが設立された。