Altesse(アルテッセ)は、19世紀から20世紀にかけてフランスの銅版彫刻師によって彫られた文字を書体にしたもの。
背景 : このドローイングは、何世紀にもわたって使用されてきたフランスの銅版彫刻文字から直接的に影響を受けている。ある時代の名人が書いた文字ではなく、日常的に書かれている文字をもとにした様式を特定するというアイデアだ。19世紀初頭から、フランス貴族の公示用銅版彫刻文字にはフォーマルなスクリプトを使用することが標準になり、活字鋳造所はカッパープレートスクリプト(手で彫られた銅版彫刻文字)を金属活字の書体にしようとした。金属活字では文字を1文字ずつ別々にしなければならないが、次に続く文字とつながるようにしなければならず、複雑な作業を必要とした。なぜなら、金属活字のボディが垂直なのに対して、フォーマルスクリプトは自然と斜めに傾いているため、装飾的ストロークの終筆部のような形やつながりを入れる余地がなかったからだ。そのためには、デジタルタイポグラフィへの移行を予感させる写植が普及し、金属活字から完全に解放されるまで待つ必要があったが、写植は文字の文脈にそった多くのバリエーションと技術をまだ提供できていない。私たちは、できる限り自動でスムーズにAltesseのバリエーションが使えるように力を注いだ。
技術について:Altesseには異なるxハイト(小文字xの高さ)のオプティカルサイズ(表示される文字の大きさによって文字のデザインを変えること)のバリエーションがある。96ptバージョンには低いxハイトで高いコントラスト、16ptバージョンには高いxハイトで低いコントラストで作られている。それぞれのサイズには互換性があり、細い部分は統一されている。これは比例の原則で、つまり、アートディレクションやアナログかデジタルかの制約によって、120ptの文字サイズを96ptバージョンのAltesseで組んでもよいし、64ptの文字サイズに46ptバージョンを使ってもかまわない。使い方はあなた次第だ。Altesseのバリエーションや組み合わせはほぼ無限で、1つのグリフにつき小文字は5~6種類、大文字は2~3種類あり、異なる文脈に適応するために私たちは日々チャレンジしている。Altesseの6シリーズには、合計1957グリフ、ベジェで構成された4万7101個のポイント、36万3673種類のカーニングペアがある。さらにPythonのスクリプトが7つあり、合計で745ラインになる。また、TTXで書き出されたフォントは、669万1256ラインのコードに相当し、OpenTypeテーブルは1066ラインのコード、38個のOpenType 機能、70個のルックアップ、233個のクラスがある。