クラシックの名曲を映像クリエイターが視覚化する企画の番組「NHK名曲アルバム+(プラス)」のために制作した映像作品です。16〜17世紀の音楽家マヌエル・カルドーゾによる無伴奏の合唱曲「レクイエム」を選曲して視覚化を行いました。
この曲は、複数の旋律が異なる音の高さとリズムで奏でられる「ポリフォニー(多声音楽)」の様式を持っています。6人の合唱においてそれぞれの声がたどる旋律を、筆記体の歌詞が音高・音長にあわせて描かれるアニメーションで表現し、現代ではあまり見られないポリフォニーを視覚的に理解できるようにしています。また、一本の描線は歌い手のひと息でもあります。
このような作品を高く評価して頂いたことに大変驚くとともに、経済から離れたデザインの評価軸を持ったTDCの意義を深く感じました。様々なタイプの作り手に希望を与える受賞だと思っています。ありがとうございました。