マグダレン・オドゥンドの作品集『The Journey of Things』は、2019年春にヘップワース・ウェイクフィールドで開催された同名の展覧会に合わせて出版された。本書は44点に及ぶオドゥンドの器に加え、歴史的に重要な作品やコンテンポラリーの作品を幅広く収録。オドゥンドの制作活動が世界中の様々な作品からインスピレーションを得ているとわかる。このブック・オブジェは、歴史的な作品とコンテンポラリーの作品を対にして並べ、有機的な流れを見せるために交互に綴じ込んでいる。バーバラ・ヘップワース、ヘンリー・ムーア、アンリ・ゴーディエ=ブルゼスカ、ルーシー・リー、ジャン・アルプの作品、ギリシャやエジプトの古代の器、アフリカ、アジア、中米の歴史的陶器、そしてアフリカ全土から集められた様々な儀式用品が収録されている。
InOtherWordsの出版物の大きな特色は、本の概念的ポテンシャル、形式的ポテンシャル、構造的ポテンシャルの実験である。ここでは、コンテンポラリーであり、かつ古典的でもある雰囲気を創出する意図をもって一連の並列法(過去と現在、ハードとソフト、儚さと永久)を試すことでアートカタログのステータスと役割を問いかけ、問題提起をした。本書は展覧会の図録というよりも独立した芸術品であり、コンテンツとアイデアを発表するための同じくらい重要な場である。