The Independent Newspaper(Type design)
「インディペンデント」紙のためのフォントは、新しい編集者、新しいビジョンのための「インディペンデント」紙のリデザインだ。クライアントは、古典主義の復活と同社の廉価版日刊紙「the i」との(視覚的)差別化を望んでいた。真面目なジャーナリズム、長めの記事、少ない色数、内容の充実、大きめの写真に再び重点を置き、文字はKingを使うことになっていた。 「インディペンデント」紙と関連雑誌(『Radar』『Traveller & The Independent Magazine』)のあらゆるレベルで使えるカスタムフォント一式を提供すること。鳥のイラストの専門家がデザインしたワシを除いて、発行人欄のデザインと制作も担当した。 同じ基本構造を共有し、互いに関連のあるコンパクトなフォント一組をデザインした。システムのトーンと全体的なバランスを設定するために最初にセリフ体をデザインし、それからサンセリフ体とサンセリフ・コンデンスドをデザインした。これら3種類のマスターセットに加え、インフォグラフィックとスポーツ欄に使う多様な数字と記号を含む特別なフォントや、セリフ体のバランスを基にした特別なディスプレイ&見出し用フォントをデザインした。同じくセリフ体を基に、裾広がりのセリフとNDの合字を特徴とする発行人欄を別途制作した。最終的なフォント一式は、4種類のセリフ体とそれらのイタリック体、3種類のサンセリフ体、3種類のサンセリフ・コンデンスド、数字のみのフォント1種類、ディスプレイ&見出し用フォントの合計16フォントで構成されている。 プロセスの当初から、全ての競合紙について認識していたおかげで考えが明確になり、サンセリフ体に合う「古典的」だが「現代的」な(Xハイトの大きい)セリフ体をデザインすることにした。サンセリフ体にはある種の「イギリスっぽさ」があり、見た目は似ていないが、偉大な書体、ギル・サンに密かに敬意を表している。イタリック体は、小さいポイントサイズではっきりと区別してデザインし、一種の遊び心を字形に取り入れた。その結果としての「女性的」なデザインは、どちらかというと「男性的」な直立型のセリフ体と調和している。 集中的に作業し、「本物の新聞」の印刷を何回も試してから、最終的なフォントファミリーを選んだ。それぞれ特定の目的と用途を持つフォント25種類から、16種類へと絞り込んでいる。