陰翳明朝體(Type design)
日本人にとって本文書体である明朝体は、文化の礎であり、日常生活を送る上でなくてはならない存在です。そのような「かけがえのないもの」に携わりたいという思いが、書体制作をする上で根底にあります。そこに新しさと呼ばれるものはあまりないかもしれません。ですが、先人たちが大切に守り研鑽し続けてきた技芸を、継承することに価値があると思っています。そしてできれば、より良いものをつくっていきたいと考えています。
陰翳明朝體は、生と向き合うタイポグラフィを主題にした伝統的な明朝体です。人生の苦悩や挫折、孤独などを詠った文学作品を組むことを標榜し、生きづらさを感じている人々へ届ける書体です。タイポグラフィには人を救う力もあると信じています。この度はご評価いただき、誠にありがとうございました。