Ahn Sam-Yeol(Hangul typefaces)(Type design)
文字というのは、その国の歴史、文化と共に成長します。しかしハングルは1900年以来の近代化の過程で、戦争という断絶があり、古活字の根を正しく引き継ぎにくい環境にありました。
現在使用されているハングルの本文用書体はほとんどは、1950年代のチェ・ジョンホ(Choi Jung-ho 崔 正治)書体に根ざしたもので、手書きの慣習がだいぶ残っています。そのため私は、これを現代的な感覚で再解釈してはどうかと考えました。アンサムヨル体(Ahn Sam-Yeol 安三烈)は、チェ・ジョンホ体の美感に根を置いており、横画と縦画のコントラストと現代的解釈を加えた活字の試みです。これからも引き続き、この書体を整えていきたいと思っています。
初めて作った書体で東京TDC賞タイプデザイン賞を受賞し、とてもうれしく思います。ありがとうございました。