「横書き仮名」の開発(Experimental Work)
平仮名(ひらかな)は、縦書きに書かれた漢字の簡略化から生まれた文字です。つまりそこには必然的に縦書きの動き(ストローク)が入り込んでいます。ところが現在、ウェブサイトはもちろん、会社の資料、役所に提出する書類だって、ほとんど横書きになっている。縦書きのストロークを持った平仮名が横に並ぶことなんて、そもそも成立した時代には想定もできなかったことです。
それじゃあ、これら平仮名が、横書きのストロークを持って生まれてきたら、はたしてどのような形になったのだろう。仮名の成り立ちを横書きの視点から見直して、あらたな「横書きのための仮名文字」の姿を開発しようじゃないか、というのがこのプロジェクトです。
まるでパラレルワールドのような書体の開発・研究に賞をいただき、とても嬉しく思うと同時に、TDCの審査範囲がそんなパラレルワールドにまで拡がったと思うと、とってもワクワクします。