「UMEZZ PERFECTION!『わたしは真悟』全6巻」(Book Design)
タイポグラフィーの役割は、特に書籍においては内容とも直結しているため大切な機能をはたします。現在、ブックデザインはカバーまわりだけの仕事でなく、本文の組み方、用紙・製本やコスト計算、流通に関しても視野に入れるべき仕事になってきました。「UMEZZ PERFECTION!」は、楳図かずおさんの著作を新しくデザインし直すシリーズで、吉岡君と組んで進めています。楳図さんの作品は、タイトルごとに違う表情を持っているため、デザインもそれに呼応すべくあらゆる可能性に挑んでいます。ぜひ手にとって確認してほしいです。(祖父江)
『わたしは真悟』は、子どもの世界と大人の世界の境目を描いた作品です。ふたりの主人公、さとるとまりんの、子どもでいられる時間の終わりが刻々と近づいてくる緊張感を出すため、時刻を刻むようなノンブルにしました。造本における、まったく異素材同士の組み合わせは、作品全体に流れる「相反する存在が近づき合うときに感じられる違和感」を出すためです。幾度となく実験に協力して下さったみなさま、本当に感謝しています!(吉岡)