Acon, a typeface for booktypography(Type Design)
このAconというタイプフェイスを作り始めたのは、ハーグ王立芸術アカデミーのタイプ&メディア修士課程にいた頃です。卒制の企画を進める過程で、現代のブックデザインで用いられる本文書体は、ほとんどが平筆を使った文字を基にした「トランスレーション・コントラスト」をベースとしていることに気づきました。Aconでは、垂直方向に細ペンを使った文字を基にした「エクスパンジョン・コントラスト」をベースとし、ブック・タイポグラフィに最も適したタイプフェイスを作りたいと考えました。
この垂直方向のコントラストがAconに洗練された雰囲気を与える一方で、そのシャープさがプロポーションをくっきり浮かび上がらせています。強い角度のついたイタリック体はこの凛とした様をまさに表しており、レギュラー体とは生き生きと相性よく対をなしています。Aconはまだ作成途中の作品ですが、現時点ではローマン体とイタリック体でそれぞれレギュラー、ブック、ボールド、ブラックの4種類のウェイトがあり、すべてにスモールキャップがあります。