Booth-Clibborn Editionsブック
「I want to spend the rest of my life everywhere, with everyone, one to one, always, forever, now.」
Damien Hirst 作品の初のモノグラフ作成に際して、伝統的な芸術の本にはしないということをまず決めていた。長い学術的なエッセーよりはるかに読みやすいようにと短い説明文を採用し、また作品そのものは現代デザインの枠組みの中に組み込んでみた。複雑なグラフィック処理は、作品を覆い隠すのではなく、提示される作品に表現された概念をより引き出すものと考えている。また、この本には「飛び出し」や「ステッカー」などの「ギミック」も用いたが、これは芸術とは人間にとって基本的な概念を取り扱いながら、一方で楽しく、非礼なものにもなり得るということを表現しようとしたものである。デザイナーが何か「新しいこと」を成し遂げたと主張できるのはごく稀なことだ。この本で私は、社会という広い枠組みの中での芸術の役割について、いくつかの疑問を提起することができたならうれしい。普段芸術と関わりを持たない人が、1人でもこの本を通じて芸術に興味を抱くようになったなら、私は幾ばくかのことを成し遂げたと感じることができるだろう。