自主制作/ポスター「浅葉克己の新作展」
東京TDCの第2回展「熱いアジアと89人のタイポディレクター展」において、アジアの異なる22種類の文字を紹介する作品を制作した。その中にとりわけ僕を魅了した不思議な文字があった。中国雲南省の少数民族ナシ族が現在も祭り事などに使用しているユニークな象形文字「ナシ文字」である。どんな顔立ち、肉体を持つ人々が、どのような文化を背景に使っているのだろう。イメージは広がる一方で、矢も楯もたまらず、著名な言語学者に同行を願い現地を取材。帰国後に作品として定着し、個展で発表した。それがこの受賞作品である。ナシ文字の他に、雲南や四川省に住むイ族が現在も日刊紙を発行しているイ文字や、800年前に砂に埋もれ消えてしまった幻の西夏文字を加え、3シリーズとなった。