TDCギャリー・エメリー
NUMBERS DESIGN BY
AWARD
1990
一般部門:金賞
ギャリー・エメリー

カタログ「Susan Cohn Workshop 300」

ギャリー・エメリー|カタログ「Susan Cohn Workshop 300」
ギャリー・エメリー|カタログ「Susan Cohn Workshop 300」
ギャリー・エメリー|カタログ「Susan Cohn Workshop 300」
ギャリー・エメリー|カタログ「Susan Cohn Workshop 300」

カタログ「Susan Cohn Workshop 300」

オーストラリアのジュエリー・デザイナー、スーザン・コーンが東京で開催した回顧展のためのルーズリーフカタログである。リサイクルボードを使用したカバーはカタログの本文と同様にシンプルにし、またフォルムとタイポグラフィを駆使し、彼女の作品にふさわしい美の雰囲気をつくった。細長くエレガントなフォーマットはジュエリーそのものの優雅さと調和。指輪、ブレスレット、イアリングといったアイテムを日本語、英語両方のテキスと共に見開きごとに紹介している。「翻訳」という美。二つの言語は組織的なブロックとして見事に均整がとれ、どちらが優勢ということもなくそれぞれを照らしだし、ダイナミックな緊張感を各ページに与えることができた。同様に、テキストと写真イメージとの結びつきが細くダイナミックな構成を生み、空間をより効果的にした。ジュエリーそのものに重きを置きながら、瞑想的な世界を演出。抽象的な空間に浮かべた影のない原寸大のジュエリーは、まばらさゆえの効果や、瞑想的な世界が醸し出す効果を助長している。カタログはモノトーンで構成。ノンブルは慣習にとらわれず連続する点によって表した。スピリチュアル、簡素、明快、ダイナミックそして混沌の中のモダニスト-そのようなジュエリーを語るグラフィックデザインとなった。

ギャリー・エメリー Garry Emery

エメリー・ヴィンセント・デザインのデザインディレクター。メルボルンとシドニーにオフィスがある。AGIの会員、ディーキン大学の助教授であり、オーストラリア最大のグラフィック団体の一つであるパーラメント・ハウス・オブ・オーストラリアの責任者。手がけた主なグラフィック・プログラム・プロジェクト:在東京と在北京オーストラリア大使館、パワーハウス応用美術科学博物館、国立海洋博物館、ヴィクトリア州立図書館、ロイヤル・メルボルン動物園、メルボルン国際空港ターミナル、ブリスベン国際空港ターミナル、メルボルン・エキシビション・センター、’88年エキスポでのオーストラリア・ポスト・パビリオン、ロイヤル・アレキサンドラ小児病院など。その他有名企業とのプロジェクト多数。現在進行中のプロジェクト:ヴィクトリア博物館、マレーシアのクアラルンプール・シティセンター、2000年シドニーオリンピックのホームブッシュ・ベイにの公有地デザインコード、キャセイ・パシフィック香港国際本部、米国アリゾナ州立大学のミレニウム・コモン・プロジェクト。