CG作品「Dancing Sony」「In Search of Muscular Axis」
In Search of Muscular Axisは、最初から1990年のシーグラフ・フィルム・ショーを前提として作った。この作品は抽象とも具象とも見える筋肉隆々のX、Y、Z、Oがボディビルダーのように、いろいろな動きによって肉体美を披露する。パイプから筋肉へ、筋肉から再びパイプへと変形する様子は、トポロジーの異なる様々なオブジェクト間での物体の変形能力を証明するものである。オブジェクトの動きは骨の動きとしてとらえられ、物体表面はそれが結合している骨との関係づけによってコントロールされている。それまでにはなかったこのアニメーションの方法論を、私達はスケルトン・アニメーションと呼び、変形形状の表面における微妙なしわや、筋肉の盛り上がり等をコントロールする手法も検証された。 Dancing Sonyの制作当時(今でもそうだが)、テレビでよく見るCGロゴといえば、視点を変化させたり、ロゴを飛ばしたりといった、皆似たようなフライング・ロゴがほとんどだった。そこで私達は、独自のテクニックを用いて、音と映像の世界で常に新しいオリジナリティを追求し続けているソニーの企業ポリシーをシンプルかつ強く表現しようと考えた。