2018年から海外で個展をする機会が増えていき、北京に巡回することが決まったあたりから、過去の仕事を中心に展示することにやや飽きてしまい、どうにか脱皮ができないものかと、パソコンの前でぼーっとソフトをいじっていたときに、なんともチープで嘘っぽい立体表現の効果にたまたま出会い、すぐに心を奪われました。
もう一つ、この表現を支えているのは僕の好きな「花」です。母は昔から家に花を欠かさずに飾っていて、庭や近所で摘んできたり、買ってきたり。それはあまりにも日常のことでしたが、家を出てしばらくしてそれが特別なことだったと気づきました。それは母をふと思い出して、花を買ってみたときのこと。自宅に飾ったときにほんのり心が躍りました。それ以来、事務所でもときどき花を飾ります。忙しい時にもチラリと視界に入ったりして。
3D効果と花。この2つのトキメキを組み合わせたら、どんどんアイデアが出てきました。とても個人的なことから生まれた表現だけど、花を見たときに僕の心の何かが揺れたときのようなものが、誰かにも伝わると良いなと願いつつ、今も作り続けています。